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『お産とコーチング』28~「集中」と「分散」  |広島市安佐南の産婦人科 フジハラレディースクリニック

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コラムカテゴリー: 妊娠, 出産, その他

妊婦さんに「遠近感を利用してお産を見てみよう」と言うことがあります。
それはどういう意味かと言いますと、お産が始まった時「陣痛」にばかり意識が集中していると、段々苦しくなってくることがあります。
当院で伝説的なお産をした方で、出産するお母さん自らビデオカメラを手に持ち、股にあてがって赤ちゃんが生まれ出るところを撮影した人がいます。
よくそんな余裕があるなあ、と思う方もおられるでしょうが、この方は陣痛が始まって入院してみて、ちょっと余裕があるからビデオを自ら撮影しながらお産してみようかな、と思ったのではなくて。
陣痛が始まる前から、入院する前から、今回のお産は自らビデオを撮りながらお産してみよう、と決めていたのです。
入院して余裕があったからビデオ撮影したのではなくて、やることを決めていてビデオ撮影を実際にしてみたからこそ、余裕が生まれたのです。
通常は自分のお腹が邪魔して、出産中のお母さんからは赤ちゃんが生まれ出ていくところは見えないのですが、ビデオを撮影中はモニターに映っているので、お母さんも赤ちゃんが出ていくところがリアルタイムに見れるのです。
陣痛があって赤ちゃんが生まれてくれる訳ですから、ビデオを撮っていたって陣痛の強さや痛さがなくなることはありませんが、その強さや痛さよりも、わが子が生まれ出ていくところを見れることの喜びや感激が勝ってしまって、すごく楽しいお産ができてしまうのです。
だから、余裕のある人が余裕のあるお産ができる、のではなくて、余裕を作る人が余裕のあるお産ができるのです。
「集中」と「分散」という対語があります。
物事に集中するのはいいことですが、集中しすぎて周りが見えないことは良くないことです。反対に、周りにばかり気がいってしまって、肝心なことに集中していないのも良くないことです。
例えば、適当な距離を持ってピンポン玉を見たら、ああピンポン玉だな、と大きさも感じも認識できるともいますが、いきなりピンポン玉が目の前直前に現れたら、ああーー!!ってびっくりしてしまうでしょう。
でもそれを離れて見れば、何だピンポン玉か、と思う訳です。
「遠近感を利用してお産を見てみよう」というのは、陣痛ばかりに集中しないで、余裕を持ってお産を見てみよう、ということです。
それは、ビデオカメラで自ら撮影するのでなくても、お産をどう楽しもうかなあ、どう遊んじゃおうかなあ、三角帽子被ってパーティー気分でお産しちゃおうか、赤ちゃん生まれた直後にくす玉割ってバースデイソング歌おうか、などなど、楽しいことを考えたりやってみたりするだけで、余裕は簡単に作れます。
それにストップをかけているのは、あなたの脳ですよ。
パラダイムシフトのお産! 実践しましょう! 楽しみましょう(^^♪

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2019.05.13